映画

「ジャイアンツ」

NHK-BSプレミアムで2月15日放送。ジョージ・スティーヴンス監督。1956年。 クラシカルな叙事詩的映画として壮大に進行するものの、ジェームス・ディーンのオーヴァーな泥酔からのレストランでの喧嘩という終盤の流れはさすがに薄い。 エリザベ…

「女と男のいる舗道」

早稲田松竹で(年明けの「WANDA/ワンダ」は行けなかった)。ジャン=リュック・ゴダール監督。1962年。 「人形浄瑠璃のよう」な「カリーナの代表的傑作」(菊地成孔)。アンナ・カリーナの首の異様な白さ、といったようなことを蓮實重彦が述べてい…

「ビューティフル・マインド」

NHK-BSプレミアムで1月16日放送。ロン・ハワード監督。2001年腕にチップ埋め込みとか雑誌に暗号とか諜報活動は怪しい感じを醸し出していたけれど、学生時代のルームメイトから既に幻覚だったのか!というサプライズが全てという感じ。 ラッセル…

「燃えよデブゴン」

NHK-BSプレミアムで1月1日放送。サモ・ハン・キンポー監督。1978年。 こんな映画だったんだという驚き。大して面白くもないB級コメディーですが、最初から最後までブルース・リーへの熱いオマージュ(「燃えよドラゴン」のオープニンでブルース…

「大砂塵」

NHK-BSプレミアムで12月9日放送。ニコラス・レイ監督。1954年。 蓮實重彦「ショットとは何か」で詳しく語られていた作品。曰く「初めて『大砂塵』を見たときにつくづく思ったのは、映画で物語をたどることと画面を見ることとは、まったく別の作…

「舟を編む」

NHK-BSプレミアムで12月12日放送。石井裕也監督。2013年。 いかにもな雰囲気だけで2時間超は長く、違和感の多いキャスティングでリアリティーも感じられない(宮崎あおいと黒木華を入れ替えたほうがしっくりくるような気がする)。

「イエスマン“YES”は人生のパスワード」

NHK-BSプレミアムで12月13日放送。ペイトン・リード監督。2008年。 「ミュンヒハウゼン症候群」(「Munchausen by proxy」なので正確には「代理ミュンヒハウゼン」)のステージがもう最高。キッチュな被り物、バカバカしいオープニング、訳の…

「嵐が丘」

NHK-BSプレミアムで11月17日放送。ウィリアム・ワイラー監督。1939年。 エミリー・ブロンテ生涯唯一の作品にして世界三大悲劇の1つ、をハイライトでお送りといった作品。 「物語展開の荒々しさや非道徳的な内容もさることながら、表現上の複…

「ザ・ロック」

NHK-BSプレミアムで11月16日放送。マイケル・ベイ監督。1996年。 製作ジェリー・ブラッカイマー製作、監督マイケル・ベイ、主演ニコラス・ケイジ、音楽ハンス・ジマー。無駄なフェラーリ破壊、大きな携帯電話、ハンニバル・レクターを思わせる…

「遠い空の向こうに」

NHK-BSプレミアムで9月26日放送。ジョー・ジョンストン監督。1999年。 職業監督がテンプレートに沿ってチョチョイと作ってみたという薄っぺらい感じではあるものの、実話ベースの題材と相まって程良い仕上がり。邦題のダサさもそれらしい。 エ…

「ハスラー」

NHK-BSプレミアムで10月27日放送。ロバート・ロッセン監督。1961年。 「人間にとって勝利とは、敗北とは何かを問い掛けた作品」「エディが一人の人間として生きようとするために越えなければならない試練の物語」「本作品の主題はエディのサラ…

「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」

NHK総合で3月5日放送。ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス監督。2017年。 これも菊地成孔激賞の一作。曰く「2018年度の最高傑作」、「『35ミリフィルムを使って、1970年代を再現した映画』史上の最高傑作であることは間違いない…

「NOPE/ノープ」

早稲田松竹で。ジョーダン・ピール監督。2022年。 前半の不穏さからの後半のバカバカしさへの落差。先週のタル・ベーラ監督「ダムネーション/天罰」からの落差。楽しかった。 黒人兄妹が営むカリフォルニアの牧場の夕暮れ、流れるディオンヌ・ワーウィ…

「ダムネーション/天罰」

早稲田松竹で。タル・ベーラ監督。1987年。 ホン・サンス特集は結局1本も観くことができなかった。 「映画史上最も素晴らしい幾つかのモノクロームショット」/動くカメラ/雨/野良犬/預言者のような老女/粗野なはずの登場人物が滔々と語る観念的な…

「友だちのうちはどこ?」

NHK-BSプレミアムで8月30日放送。アッバス・キアロスタミ監督。1987年。 ちょっとした小咄のようなストーリーですが、大人たちの冷たさや知らない街を歩く心細さを刷り込まれた後のラストの爽やかさ。押し花が効いている。 馴染みのないイラン…

「岬の兄妹」

早稲田松竹で。片山慎三監督。2019年。 東野幸治がYouTubeで激賞(面白いと言うのは憚られるが面白い)していた片山慎三の監督デビュー作。 妻に客をとらせる「お直し」、博打の借金で娘が身売りする「文七元結」等、(福祉のない)落語の世界ではままあ…

「さがす」

早稲田松竹で。片山慎三監督。2022年。 東野幸治がYouTubeで激賞していた片山慎三作品。佐藤二朗のキャステイングも含めてポン・ジュノ組の色合いが濃厚。 面白いことは確かに面白いものの、ちょっと捏ね過ぎで策に溺れている感は否めず、ガツンと来ると…

「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」

NHK-BSプレミアムで6月8日放送。 スティーヴン・スピルバーグ監督。2017年。 責任ある立場で判断を下すことの重さに焦点をあてている点に面白味はあるものの、決断にいたる流れがいまひとつで消化不良な感じ。 ベン・ブラッドリーのアクのある感…

「ヒトラー ~最期の12日間~」

NHK-BSプレミアムで8月10日放送。オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督。2004年。 今となっては「大っ嫌いだ!」「判断力足らんかった」「チクショーメ!」「おっぱいぷるんぷる~ん」動画の元ネタ。ブルーノ・ガンツの情緒不安定なキレ芸(と秘書…

「ベイビー・ドライバー」

BS12で1月15日放送。エドガー・ライト監督。2017年。 菊地成孔激賞の作品。曰く「全部で9回泣いた」、「映画によるブリティッシュ・インヴェイジョン」。 カーラ・トーマス「B-A-B-Y」を歌いながら出勤するリリー・ジェームズの鮮烈さ。注文…

「大統領の陰謀」

NHK-BSプレミアムで6月15日放送。アラン・J・パクラ監督。1976年。 ウォーターゲート・ビルへの不法侵入事件が1972年(ポルノ映画「ディープ・スロート」がヒットした年)、ニクソン大統領辞任が1974年、本作が1976年。当時として…

「リトル・ダンサー」

NHK-BSプレミアムで5月9日放送。スティーブン・ダルドリー監督。2000年。 過去の成功例のフォーミュラをなぞっている感じが気になって今一つ乗り切れない。バレエとUKロック(Tレックス)の組合せも違和感が拭えなかった。ワム!、カルチャー…

「俺たちは天使じゃない」

NHK-BSプレミアムで3月15日放送。ニール・ジョーダン監督。1989年。 公開当時面白そうだなと思った記憶あり。もう33年前の作品か。 舞台劇を映画化した1955年版は未見ですが、「デビルズ島から脱獄した3人の囚人が強盗に入った雑貨屋の…

「長江哀歌」

NHK-BSプレミアムで3月17日放送。ジャ・ジャンクー監督。2006年。 動く油絵のような漲る映像美と、あってないような薄いストーリーと、唐突に挟み込まれるUFOやロケット。訳が分からない。

「きっと、うまくいく」

NHK-BSプレミアムで1月1日放送。ラージクマール・ヒラーニ監督。2009年。 終盤の予定調和が激しく、伏線の回収も必要以上に執拗で、もう少し薄味で捻りがあってもという感はあるものの、多段式ロケットで引っ張っていく魅力がある。 マイクロソ…

「家族はつらいよ2」

BSテレ東で4月17日放送。山田洋次監督。2017年。 ベタベタなストーリーを衒いなく真っ直ぐ投げかけているからなのか、山田洋次の熟練の手腕によるものなのか、いまいち不明ながら妙に響くものがある。 小林稔侍と鰻は3作目でも引っ張っているんだ…

「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」

NHK-BSプレミアムで3月17日放送。クリストファー・マッカリー監督。2015年。 シリーズ5作目。ストーリーの大枠(シンジケート)が全然頭に入ってこなくて気持ち良く観られない。 ヒロンインのレベッカ・ファーガソンがスペシャルな魅力を感じ…

「キッド」

NHK-BSプレミアムで1月13日放送。チャーリー・チャップリン監督。1921年(チャップリン自身による音楽付きの1971年版)。 ジャッキー・クーガンの破壊的な可愛さ。チャップリンばりに3回離婚、4回結婚しているのも驚きですが、後年「アダ…

「ウォール街」

NHK-BSプレミアムで1月11日放送。オリバー・ストーン監督。1987年。 金融資本主義批判のつもりが、ゴードン・ゲッコーの振り切れたキャラクターが格好良すぎたというバランス崩壊作品。 マーティンとチャーリー・シーンの父子共演。「地獄の黙…

「フィールド・オブ・ドリームス」

NHK-BSプレミアムで8月30日放送。フィル・アルデン・ロビンソン監督。1989年。 ずっとスルーしてきましたが、オードリールートからの再発見。 お告げでドライヴしていくスピリチュアルな展開に面食らいますが、中年の危機、父と息子、破れた夢…