岩井克人 「ヴェニスの商人の資本論」

ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)

  • 半年ほど前に、地下鉄の中で、うら若い綺麗な女性がファッショナブルな外見に似つかわしくない小難しそうな本を読んでいて、下衆な好奇心から背表紙に目を凝らして確認したのが本書。
  • いわゆるニューアカの人にカテゴライズされるのでしょうか。「知識と経済不均衡」など専門家向けに書かれたものは難渋しましたが、「パンダの親指と経済人類学」や「マクロ経済学の『蚊柱』理論」など、喩えも駆使して分かりやすく読ませます。
  • 新古典派批判の論点は漠然と理解できましたが、不均衡動学というものの斬新さというか学術上の意義までは門外漢にはよく分かりません。
  • なんでああいう人がこういうものを読んでいたんだろう、というモヤモヤは解決されるどころか読んでなお深まりましたが、久々に小難しい物を読んだという充実感あり。