- 本人の語った内容と、他人の評した内容の乖離から読み解いていくというアプローチは刺激的で興味深い点も多くあるのですが、期待が高すぎたのか、深度・拡がりともに物足りない感は否めません。
- あるいは、事前に御厨貴/中村隆英「聞き書−宮沢喜一回顧録」、御厨貴/伊藤隆「政治とは何か−竹下登回顧録」、御厨貴/伊藤隆「表舞台・裏舞台−福本邦雄回顧録」を読み込んでおくとより深く楽しめたのかもしれません。
- 思うに、比較考量の材料を上記3冊に限定しているのが迫力不足の要因。3冊をベースにしつつもっと材料を広く採りつつ、より緻密に彫り込んだ結果としてヴォリュームが増えていれば望ましかった気がします。将来的な増補改訂版の発行が期待されます。