- NHK-BSプレミアムで6月18日放送。ルキノ・ヴィスコンティ監督。1963年。
- 統治者側のドラマ。小沢一郎が演説で引用したのも分からなくはない(「現状を維持したければ変わらねばなりません」)。
- 淀川長治/蓮實重彦/山田宏一「映画千夜一夜」で、淀川長治が「金持をこんだけ映画にする人ないなあと思うて。(中略)もういい気持でね。こんな金持になれたらどんなにいいだろうって観た、ぼくは」、「想像じゃないのね。だからいかに美術いうものが、豊かなところから発生するかわかるね」、「ヴィスコンティ亡くなったとき、こんなつらいことなかった。イタリアはこれで終わりになるか思った。(中略)もうこの貴族きなくなったか思ったらつらかった。映画のなかの一番の贅沢を持ってた人やなあ、ルキノ・ヴィスコンティいう人は。ぼく、好きだったねえ」と溢れんばかりの敬愛を示したところの貴族の洗練は、「義弟のフェルディナンドは先を見る父親ではなく、子に残すべき財産を豪奢な生活で散じたのだ。しかし、こうした贅沢の結果がタンクレーディでもある。これは当然のことだ。先祖たちが惜しみなく散在することなくして、我が甥のような洗練された魅力を身につけることは不可能だろう」という劇中のセリフでも示唆。