三浦しをん「三四郎はそれから門を出た<新装版>」

([み]1-3)新装版 三四郎はそれから門を出た (ポプラ文庫)

  • 著作は全く読んだことがなかったのですが、「オシャレの追求に励むのは来世にまわし、今生では思うぞんぶん読書しようと思う」「世の中にこんなに本があるのに、顔なんか洗ってる場合じゃない」という新聞広告の惹句により入手。
  • 「筋金入りの活字中毒者」という割には作品のチョイスも書評もライトで食い足りなさを感じていたところ、「愛がほとばしるさまをご覧いただきたい」と著者が語る第6章「愛の唄」が俄然好感触。読んでみたいと思わせるもの多数ですが、中でも丸山健二「水の家族」は是非読みたい。
  • 「現在の恋愛至上傾向というのは、特定の『交情相手』を確保する、という意味合いもあるのだなと悟った」「『好きだよ』と言い『私も』と言い当たり前にセックスをするのが恋愛であると信じる人々」など、恋愛と性行為への視点がクール。