「男はつらいよ-寅次郎物語」

男はつらいよ 寅次郎物語 HDリマスター版(第39作)

  • BSテレ東で7月20日放送。山田洋次監督。1987年。シリーズ第39作。
  • タイトルは同年公開の映画「次郎物語」のパロディとのこと。冒頭の夢が前作の回想のような少年時代を思い出す内容なのはそのためか。
  • 般若の政の死(「お前は何のために生きてきたんだ?」)、秀吉の熱発、秋吉久美子の自殺思念+堕胎告白、やっと見つけた五月みどりも大病、と死の気配が充満。渥美清の生え際もギョッとするほど後退。
  • 寅次郎と秀吉の気持ちが通じ合う描写もなかったのでラストは唐突で気持ちがついていかない。空振り気味。
  • 「宇宙回転風呂」とは凄い。大きな円形の浴槽がゴトゴトと回転するものだったらしく、後年、廃墟としても有名だった模様。
  • 「あぁ生まれてきて良かったなぁって思うことがなんべんかあるじゃねぇか、ね?そんために人間生きてんじゃねえのか?」という満男との会話が有名ですが、中島らも「何十年に一回くらいしかないかもしれないが、『生きていてよかった』と思う夜がある。一度でもそういうことがあれば、その思いだけがあれば、あとはゴミクズみたいな日々であっても生きていける。だから『あいつも生きてりゃよかったのに』と思う」の下町風のサッパリとした変奏。
  • 美保純最後の出演作とのこと。実に惜しい。