柳家権太楼「落語家魂!-爆笑派・柳家権太楼の了見」

落語家魂! - 爆笑派・柳家権太楼の了見 (単行本)

  • 図書館活用。読売新聞の連載「時代の証言者」をベースに加筆増補したもの。
  • 1978年のNHK新人落語大賞を契機にタレントメインの活動から落語メインにといった半生記はそれなりに面白いのですが、俺最高、寄席最高、俺の落語最高、というあまりの含羞・韜晦のない語り口ににやや辟易。らしいといえばらしい。
  • 五代目小さんの人間力エピソードは本書でも。曰く「何か仕事があると、ほかの直弟子を差し置いても『ほたる、一緒に来いよ』と声をかけてくれました。あたしが拗ねて目白に寄り付かず、『あいつ、本当に来ないじゃないか』と先輩たちが怒っても、小さんだけは『ほたるはいいんだ』と言ってくれました」。
  • 「くしゃみ講釈」について、「東京の落語家さんはこれを上方で覚えてきたとき、『犬糞は汚いから嫌だ』と思うでしょ。でもここはやっぱり犬糞がいいんです。その代わり、きれいにやらなきゃ」とのこと。
  • 桂枝雀を見て「これだ、これこそが、俺の目指す爆笑落語だ!」。「代書屋」は「あたしは柳家喜多八さんから教わりました。喜多八さんは先代の桂小南師匠から。ところが、あたしが教わったネタには『せいねんがっぴ!』のくだりがありません。『枝雀師匠の『せいねんがっぴ』使っていいですか?』落語研究会の楽屋で、あたしは枝雀師匠に頭を下げました」
  • 「権太楼の大落語論」も読んでみようかというところ。