「男はつらいよ-寅次郎紅の花」

男はつらいよ 寅次郎紅の花 HDリマスター版(第48作)

  • BSテレ東で9月14日放送。山田洋次監督。1995年。シリーズ第48作(最終作)。
  • 牧瀬里穂との前作の引きはなかったことにして、後藤久美子がカジュアルに復活。例によってアポ無し。相変わらずド大根。
  • 結婚式を満男に妨害された新郎役は前田吟の実子。島唄では元ちとせがクレジット。「ワダツミの木」(2002年)のメジャーデビューの遥か前。
  • 「おれはもう生きているのが精いっぱいだよ。仕事がしんどくてたまらない。みんなわかっちゃいないんだよ、おれのことなんか」「疲れちゃって駄目なんだ。立っているだけで精いっぱいなんだよ」「いいんだよ、もう。おれはなにも欲しくない。ファンもなにもいいよ」と付き人に悲痛な真情を吐露しながらの撮影だったようですが、ほとんど動けない渥美清にはアップを多用。「俺とこの女はな、生まれる前から運命の不思議な赤い糸で結ばれているんだよ」という台詞の張りのなさにゾクッときます。
  • 浅丘ルリ子後藤久美子も投入して、ちゃんと作品として形になっていて、これが最後だとみんなで気持ちを合わせて作り上げた「アビー・ロード」感。良いです。
  • 山田洋次の構想では、次回第49作「寅次郎花へんろ」の舞台は高知、マドンナは田中裕子。「女性が子供を堕ろしたのだが兄がその子の父親が寅さんではないかという風に疑い、それから寅さんがこの兄妹の後見人になる、また泉と満男を結婚させる」というもので、最終第50作は、舞台は富山、マドンナは黒柳徹子で「甥の結婚を見届けた寅次郎はテキ屋を引退、晩年は幼稚園の用務員になり、子供達と遊んでいるうちに死に、町の人が思い出のために地蔵を作る」というものらしい。
  • 他方で昨年末公開の「お帰り寅さん」では満男が小説家になり、泉は国際結婚してUNHCR職員になっているらしい。何か違う。
  • 「家族はつらいよ」シリーズも機会があれば観てみたい。