- 「レコード・コレクターズ」恒例のリイシュー・アルバム・ベスト2019のレゲエ部門で選出されていたロッカシャッカによるプリンス・バスターのスカ・コンピレーション。
- 2018年にリリースしたロックステディー集「レッツ・ゴー・トゥー・ザ・ダンス」がUK年間ベスト・レゲエ・アルバムに選ばるなど、高評価だったことからコンパイルされたという経緯らしい。
- 20曲中11曲が未発表曲で、2曲が未発表テイク。つまり残りの7曲は既発音源。コンセプトがよくわかりませんが、レア+アンリリースドという感じでしょうか。
- 当時バスターのサウンドマンにだけ手渡されたダブプレート(「ヘイ、トレイン」=デューク・エリントン「A列車で行こう」のカヴァー)とか、イギリスの某サウンドマンが秘蔵していたスペシャル(「ロール・オン・チャールズ・ストリート」。世界に一枚?)とか、とにかくレア音源であると。
- 「ストップ・ザット・トレイン」は、キース&テックスのカバーにより大ヒットしたスタンダードのオリジナルだそうですが、結構印象が違う。
- 誰だかわからない状態で聞いても、スリム・スミスの張りと憂いのある声質には涙腺が刺激される。
- 「イスラム」「チャールズ・ストリート・カウボーイ」「プリンス・オブ・ピース」「ルード・ルード・ルーディー(ドント・スロウ・ストーンズ)」「サドゥン・アタッック」「ヴェトナム」、と中盤でプリンス・バスターらしいキラー・スカの固め打ちで格好良い。
- 他方で「サマータイム」、「マイ・ガール」というカヴァー2曲でのエンディングはどうもピッタリこない。
- シャギー「オー、キャロライナ」(1993年)がヒットしてなぜプリンス・バスターが法廷闘争に巻き込まれるのか不思議に思いましたが、オリジナルのフォークス・ブラザーズ「オー、キャロライナ」(1960年)の作曲クレジットの著作権争いだったという、寝た子を起こした感じ。