2020-05-14 ミチコ・カクタニ「真実の終わり」 本 各方面で評判が良かったので手に取りましたが、読んでる途中でコロナ禍が拡大してうまくフォーカスできなかった。 なぜドナルド・トランプが合衆国大統領になったのか、ポスト・トゥルース時代をもたらしたのはなにか、を政治経済的に分析するのではなく、哲学的、思想的に読み解いてみたというもの。 インターネットの影響がまず想起されるところですが、ポストモダニズムの相対主義を挙げているのが特徴。土田知則「ポストモダニズムと『真実の死』」という本書への批評もあるようです。 格式張った断言調で各章を通じた総意が汲み難く、「だからなんだ」という感もなくなはいですが、切れ味の鋭いセンテンスや豊富な引用は魅力。 シニシズムには気をつけたい。