山際淳司「江夏の21球」「たった一人のオリンピック」

江夏の21球 (角川新書)  たった一人のオリンピック (角川新書)

 

  • 山際淳司が忘れられた作家になっていたとは驚きでしたが、こうして改めて読んでみると、時代の流れの中に沈んでいったのも分からなくはない。
  • 野茂英雄以降の日本プロ野球地盤沈下(野球自体の人気低迷)などに加え、スポーツノンフィクションの寿命の短さも感じる。無名のアスリートを扱ったものの方が時代と関係なく素直に読める。
  • 「江夏の21球」スタイルでNFLノンフィクションが読みたいというのが昔からの願望。スーパーボウル史上最高のアップセットの第42回(NE-NYG)、最強の矛がなすすべなく崩れ去った第48回(DEN-SEA)、あるいは2007年のAFCチャンピオンシップ(NE@IND)など。いくらでも読みたい。
  • 石戸諭の解説(「熱量の多寡」「描く側と描かれる側には常に緊張関係がある」)も良い。