スチャダラパー「大余談」

大余談 (立東舎)

  • 年始に書店で見かけて、気軽に読めるものをと思って購入したものの、忙しすぎて全然読めなかった。
  • めちゃくちゃ内輪の雑談が一番面白く(電気グルーヴ井上三太川辺ヒロシ藤原ヒロシ)、次に他流試合(五味太郎都築響一)。尊敬する先達等、程々の距離感の組合せ(いとうせいこう久住昌之宮沢章夫)があまり面白くない。
  • 井上三太の回が本当にバカバカしくて楽しい。鼻を触っている女性フェチ、エロDVDマイベストの盤面に描いた絵、自作MV「鬼デカサイズ」等々。「もて介」も読んでみたくなった。
  • 川辺ヒロシ半生記も朗らかな人柄がにじみ出ていてやたら面白かった。都立家政スーパーロフトという存在も知らなかった。
  • 藤子不二雄AとFの自宅が近所というのは知らなかったですが、表札まで載せるのはギリギリでは。
  • 都築響一の回も面白かった。暴走族の改造バイク=チカーノのローライダー、今は成り上がりたいハングリーな若者は芸人よりもラッパー(「吉本の学校の学費が払えないと裾野さえもいけないもん」)、地下アイドルコミュニティの生態、盆踊りの野外レイヴ化等々。
  • 「アニ教授のK-POP白熱教室!」(2012年)の時期は確かに少女時代やT-ARAが面白かった。ラストの小泉今日子(2021年)がBTSにドハマリ(「スイマセン、既に入隊しちゃってます」)というのも時代の変遷が感じられて良い。小泉今日子が一人で新大久保をウロウロしているというのも凄い。
  • 玉袋筋太郎の京都のスナックのエピソード(「そしたらもう、こっちは1万円置いて帰るだけだ(パーンと机を叩く)」)がらしくて可笑しい。玉袋筋太郎の息子がヴィジュアル系という驚きも。
  • 性行為についてみうらじゅん「アレって何のためにやってたんだろうって。ポイントも貯まらないのにね、高級スープが贈られてくるわけでもないのに、せっせせっせとやってたことをいま、フッと『オレ、今までなにかおかしなことしてたなあ』って」。
  • 小泉今日子に「男はつらいよ」のオファーがあったというのも驚き(ダブルマドンナの若い方)。「志村さんに気に入られたの。コントの相手として。もっとうまければ、石野陽子になれたんだけど」というのも面白い。
  • しまおまほかせきさいだぁの元内縁の妻=島尾敏雄島尾ミホの孫。ボーズの妻=ファンタジスタさくらだ(あやまんJAPAN)。川辺ヒロシの妻=加藤紀子。NiziUのリマ=Zeebraの娘(「ラップがクソうまいい」)。
  • 憂歌団は外からはとてもそんなふうに見えなかったけどものすごく仲悪かったという話もありますが、スチャダラパーは今年でデビュー32年目、仲は良さそうです。