プラトン「ソクラテスの弁明」

ソクラテスの弁明 (光文社古典新訳文庫)

  • 東浩紀「ゆるく考える」を読んでソクラテスポピュリズムによる死(「おまえはなんかあやしい、嫌なことをいう、みんなの空気に水を差す、だから死ね」)に興味を持ったもの。東浩紀曰く「もっとも心を打つのは、彼が論理では勝てないことをよく承知し、それについてもはっきり語っていることである。彼は、人々が論理を選ばないことをよく知っていた。しかしそれでも論理を選び、死刑を受け入れるのだ」。
  • 弁明のロジックは早くも忘れてしまいましたが、生きることは知を愛し求めることであり、真理を求める行き方をを全うするためなら死をも受け入れるのだというあり様はザラリと印象に残る。
  • 「ですが、もう去る時です。私は死ぬべく、あなた方は生きるべく。私たちのどちらがより善き運命に赴くのかは、だれにも明らかではありません。神は別にして」
  • 購入してから読み始めてからほぼ1年。このような薄い本にここまで時間がかかっているようでは、死ぬまでにもういかほども読めないだろうなと悲しい気持ちになってくる。