2022-09-18 真造圭吾「森山中教習所」 本 「トーキョー・エイリアン・ブラザーズ」が少し肩透かしだった真造圭吾、連載デビュー作の本作は素直に響いた。画も隅々まで丁寧で雑さは感じられない。 20歳の夏に再会し、交差する2人の人生。ファニーな出来事の裏にシビアな背景がうかがわれ、それらがまとめて最後に切なさに転じる鮮やかさ。 清高くんから花井薫の匂いがする。粗野な素性からくる情の薄さやナチュラルな身勝手さなのか。奇妙な素直さも。 別れたはずの松田さんと切れないところ、驫木が結局はヤクザを抜けないところも好み。田舎の閉塞感も良い。 「ぼくらのフンカ祭」に行く前に「台風の日-真造圭伍短編集」にトライするか。