Frank Miller 「300」

300

  • 原書のハードカヴァーを購入したのですが、意外に大きい(12.9インチ×9.8インチ。ほぼB4サイズ)。元々は見開き全面を1ページとして描かれたもののようです。
  • 単純で短くかつ映画で既知の話ではあるのですが、ヴォキャブラリーが致命的に足りないためスラスラ読めるという訳にはいきません。
  • 少年時代のレオニダスと狼の戦いのエピソードは映画ではよく意味が分からなかったのですが、原作を読むと、狼がペルシア軍、岩の隙間がテルモピュライ((Thermopylae)=熱い通路・門(Hot Gate))の地形を暗示するエピソードであることが理解できます。
  • 「これがスパルタだ!(This is Sparta!)」が、映画における咆吼に比べると、実に素っ気ない描写で拍子抜け。戦闘開始の場面でもさり気なく「来て奪うが良い!(Come and get it!)」と描かれていますが、クセルクセス王の降伏勧告に対する「モーロン・ラベ(Μολών λαβέ)」という有名な言葉なんだそうです(テルモピュライの丘に立つ石碑に刻まれている)。
  • 一つの世界を形成してはいますが、画力には割と隙があり(人の顔とか動物とか)、眺めていて飽きないとか、何度でも読み返したくなるという感じはありません。
  • 米アマゾンを見ていたら「Historically Inaccurate!?!?! THATS NOT THE POINT!!!」という暑苦しいタイトルのレビューがあって笑いましたが、確かに燃えました。映画「300」ももう1度観たい。