2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

古泉智浩「青春☆金属バット」

著者によると「最初の『路地裏のバッター』は主人公が止むに止まれぬ理由でバット強盗になるという組み立て方でドラマを構成」していたものの、「北野映画は主人公が常に加害者であり言い訳しないところが素晴らしい」という「映画評を読んだ途端、それがと…

「ヱビス?」アンダマンだよ。「何ですか、それは」オレもよく知らねえんだ、とママが首を振り、アンダマンというのはベンガル湾に浮かぶインドの島だ、とセラ義が答えた。「そこで作っているビールなんですか?」正確にはアンダマン諸島のケチャという島で…

「男はつらいよ-寅次郎ハイビスカスの花」

BSテレ東で4月6日放送。山田洋次監督。1980年。シリーズ第25作。浅丘ルリ子登場全4作のうちの3作目。再見。 水元公園、リリーからの手紙、飛行機(客室乗務員)という序盤がドタバタしていてどうにも味気ない。 所帯最接近からの自壊、なおかつ…

古泉智浩「死んだ目をした少年」

引き続き古泉智浩。作品自体には全然ピンとこなかったものの、あとがき2005年「生きていくのは大変だ」とあとがき2015「自分だけでは持たない」が高濃度で読み応えあり。 曰く「婚約不履行裁判の被告人となって1300万もの慰謝料を請求されていた…

古泉智浩「ピンクニップル」

「ジンバルロック」に続いて古泉智浩。著者曰く「エロマンガ作品集」で、「オレのこの醜く不潔な性器をその体内に受け入れてくださり、柔らかい肌や可愛らしい乳首をなめさせてくださった、奇跡のように心優しい女の皆さんに感謝とお詫びを込めて描いたマン…

古泉智浩「ジンバルロック」

オモコロに掲載された「君の名が」で気になっていた古泉智浩をいくつか読んでみることに。まずはデビュー作にして代表作をチョイスしたところこれが望外にヒット。 何ら特別ではない凡庸で先の見えた人生で明るく足掻く感じが大変に好み。柄谷行人が「私はす…

「男はつらいよ-寅次郎春の夢」

BSテレ東で3月30日放送。山田洋次監督。1979年。シリーズ第24作。 寅次郎が娘の林寛子ではなく母親の香川京子に当然のように惚れるというのも違和感がありますが、禿頭の中年がさくらに惹かれるという展開も素直には入ってこない不自然さ。 斬新…

「選択5月号」

メモ アラブの春「第二幕」は広がるか-相次ぐ北アフリカ「政変劇」の今後 米露がベネズエラで「サイバー暗闘」-反米政権を巡るハイテク攻防戦 北朝鮮「体制転覆」に傾斜する米国-飼い犬「自由朝鮮」が狙うクーデター 中国「危険鎮痛剤」輸出に悩む米国-…

高野秀行「アヘン王国潜入記」

高野秀行/角幡唯介「地図のない場所で眠りたい」からのチョイスその1。「『自分はあれを書いたのだ』と心の支えになるような仕事」「『誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白く書く』という(中略)約二十年間変わらない(中略)…

「マッドマックス-怒りのデス・ロード」

NHK-BSプレミアムで1月14日放送。ジョージ・ミラー監督。2015年。 公開当時ものすごく盛り上がっていた記憶はあったのですが、こんな作品をNHKが放映してくれるとは。 状況説明もキャラクター描写もなく、行って戻ってのカーチェイスのみで…

桜玉吉「伊豆漫玉ブルース」

知らない間に出ていた桜玉吉の新作(本年1月刊行)。「伊豆漫玉日記」の続編。 伊豆の隠遁生活が合っているのか穏やかに枯れた雰囲気が良い。「伊豆漫玉日記」では川崎長太郎が想起されましたが、本作では寺田寅彦が思い浮かびました。 あの画風の人は「秋…

「カメラを止めるな!」

日本テレビで3月8日放送。上田慎一郎監督。2017年。 菊地成孔が「最後にボロ泣きしちゃった」という作品はこういうものでしたか。みんなでもがく素晴らしさが詰まっていて確かに感動的。エンドロール(監督目線のメイキング映像)が圧倒的に爽やかで切…