古泉智浩「死んだ目をした少年」

新装版 死んだ目をした少年

  • 引き続き古泉智浩。作品自体には全然ピンとこなかったものの、あとがき2005年「生きていくのは大変だ」とあとがき2015「自分だけでは持たない」が高濃度で読み応えあり。
  • 曰く「婚約不履行裁判の被告人となって1300万もの慰謝料を請求されていたからだ、その上、裁判中に原告のお腹に赤ちゃんがいることまで判明し、弁護士を通じて中絶の希望を伝えたが断られ、裁判中に子供が生まれて慰謝料のみならず養育費の支払い義務まで生じてしまった」「現在の妻と結婚し不妊治療に取り組み始めた。これがとんでもない泥沼で6年間600万円を費やして結局空振りであった」「うちに来てくれた子供のお陰でようやく人生の後半戦のスタートを切ることができた。何という運命の円環だろう。これまでずっと何年も真っ暗な夜道を裸足で歩いているような感覚だったのが、赤ちゃんが来てくれてから光を浴びているような感じがする」とのこと。普通じゃない。