青木新門 「納棺夫日記<増補改訂版>」

納棺夫日記 (文春文庫)

  • 旅先で携行していた本を紛失した上に、台風により延泊を強いられたことから、地方空港の書店のプアなラインナップの中から本書をチョイス。
  • 納棺の仕事をするに至るまでの経緯や、シャワーを浴びても落ちなかった死臭が鼻毛を切ったら消えたというようなディテールには唸らされるものがあるのですが(多くの人が農作業で腰が曲がっていた時代は座棺が適していた、という推察には目から鱗が落ちました)、第三章「ひかりといのち」で巡らされる哲学的思考は凡庸かつ独善的に感じられ、かなり退屈でした。