- NHK-BSプレミアムで6月16日放送。アルフレッド・ヒッチコック監督。1951年。
- 愛想の良い人だと思って会話に応じてみらたかなり狂った人で、危ないと思って適当にあしらったつもりがガンガンと付き纏われるというのは、現代的リアリティーのある怖さ(「危険な情事」を思い出しました)。ロバート・ウォーカーの顔付きも絶妙。
- テニスの試合(と同時進行のライター拾い)とかメリーゴーラウンドとか、ちょっとダレるかなという気もしましたが、総じてとてもスリリングで、「まさにおとぎ話の面白さ」(山田宏一)を十分に堪能。
- レイモンド・チャンドラーが脚本に参加。チャンドラーは「ばかばかしいストーリー(a silly little story)」と原作を酷評していた上に、余談を好むヒッチコックとのミーティングを毛嫌い、挙げ句リムジンから降りるのに苦労するヒッチコックを「あのデブ野郎(the fat bastard)」呼ばわりした(ヒッチコックはヒッチコックで鼻をつまみながらチャンドラーの脚本をゴミ箱に投げ入れた)というエピソードあり。チャンドラーにとっての黒歴史はビリー・ワイルダー「深夜の告白」(1944年)ではなく本作かも。
- criss-cross=交換殺人、というのが洒落た言い回しなんでしょうか。