Sarah Vaughan 「After Hours」

アフター・アワーズ

  • 唐突に ヴォーカル入りの「マイ・フェイヴァリット・シングス」が聴きたくなって、手っ取り早く一番有名そうなアルバムを購入。
  • ちょっと求めていた「マイ・フェイヴァリット・シングス」とイメージが違いましたが、まぁこれはこれで。
  • 「マイ・フェイヴァリット・シングス」の歌詞というと、村上春樹が「村上朝日堂」で「私の好きなものは・・・・・ヌードルを添えたウィンナ・シュニッツェル」と紹介していたのが印象に残っており、もっと日常的というか即物的なのかと思っていましたが、「Raindrops on roses and whiskers on kittens」から始まるもの凄いチャーミングな歌詞。
  • 「さよならを言う度に」はレイモンド・チャンドラーの「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」と何か関係があるのでしょうか。元々はフランスの慣用句らしいので無関係でもおかしくはないのですが。そういえば村上春樹訳「ロング・グッドバイ」もそろそろ読みたい。
  • 「長いお別れ」が1953年刊。「さよならを言う度に」が1944年。コール・ポーターの方が先でした。アルバム発売は1955年なので「長いお別れ」を意識した可能性はあるかもしれない。
  • フィンガー・スナッピングで歌い始める「イージー・トゥ・ラヴ」など各曲はそれぞれ良い感じなのですが、全曲ギター(マンデル・ロウ)とベース(ジョージ・デュヴィヴィエ)のみの伴奏なので、聴き通すともうちょっと伴奏が厚い方がヴァリエーションがつけられて良かったのではないかと、個人的な好みとしてはやや不満が残ります。