レイモンド・チャンドラー 「ロング・グッドバイ」

ロング・グッドバイ

  • 元々好きな作品の一つでもあり、清水俊二訳「長いお別れ」とランダムハウス(ヴィンテージ)のペーパーバックをチラチラ参照しつつ、一息に読み終えてしまいました。
  • 14章の締めの一文「鳥にだって学ばなくてはならないことがたくさんあるのだ」というのにグッときたのですが、清水俊二訳だと「鳥も学ばなければならないのだ」、そして原文は「Birds have to learn too.」だという。翻訳って難しい。
  • 第1章の「迷い犬」という訳語も、清水俊二訳の「迷い子の犬」というのが情感があって好きだったので、微妙な違和感を覚えます。
  • (チャンドラー作品の常として)華麗すぎる文体に気を取られているとストーリーラインを見失いそうになりますが、何度読んでも溜息の出るような第1章から何度読んでも胸に染みる最終章まで、文句のあろう筈もなし。