桂米朝 「特選!!米朝落語全集(06)」

特選!! 米朝 落語全集 第六集

  • 米朝自らが一番難しい噺というだけあって、素晴らしく身の詰まった大ネタ。「至芸」という言葉を想起せざるを得ません。何度聴いてもクスッと笑えてジワッと感動します。
  • 「目んない千鳥」とはなんのことか分かりませんでしたが、捕まった人が罰杯を飲まされる目隠し鬼ごっこということでしょうか。
  • 「米の飯がてっぺんへのぼった」も今一つ理解できませんでしたが、贅沢に慣れすぎてまっとうな感覚を失っていることを言っているのでしょうか。
  • それに比べると「沈香もたかず、屁もこかず」というのは感覚的に理解が容易で、使いたくなる言い回し。
  • 「あ、汗かかしよったぁ〜」と言ってその場は退散しておいて、赤栴檀と難筵草の法談を引用して説教する下りは実に泣けます(「おまはんは不器用な子やったんやで」)。旦那さんの品の良さが実に説得力がある。
  • 「甲斐性のあるしっかり者の、またかくれ遊びをするような一面もあるが、根は小心な律儀者のこの番頭と、さらに一回り大きい苦労人のこの旦那と、使う者と使われる者の、それぞれの立場からの心の使い合いが、ほのぼのと、あたたかくにじみ出なければなりません」という本人の解説がしっくりきます。
  • 埋め草かと思っていた「焼き塩」ですが、これがまた望外の面白さ。
  • 漢字をテーマにしたマクラも面白いし、親の心配をする女子衆さんと、無学を反省するお侍さんと、勘違いでもらい泣きする塩屋、更にそれを見ている2人のスケッチがしみじみと面白い小品。塩屋のおっさんの勘違い振りがおかしい(「ははぁ、身分違いの恋、というやっちゃな」)。