- 書店の夏休みフェア的なコーナーに平積みにされており、懐かしくてついつい購入。世代的に開高健は「テレビで釣りをしている人」です。
- こういう作品を読むと釣りは素敵な趣味だなといつも思うのですが、実際にやる気にさせるだけの誘発力を持った作品に巡り会ったことはありません。
- 30年以上経っていますが、ブラジルのマジカルな感じは殆ど変わっていないような気がします。
- 昔読んだときには気が付きませんでしたが、各章のタイトルは以下の通り全て文学作品からの引用。
- アースキン・コールドウェル「神の小さな土地(God's Little Acre)」
- P・D・ジェイムズ「死はわが職業(Death of an Expert Witness)」
- ウィリアム・フォークナー「八月の光(Light in August)」
- カーソン・マッカラーズ「心は淋しき狩人(The Heart is a Lonely Hunter)」
- アーネスト・ヘミングウェイ「河を渡って木立の中へ(Across the River and into the Trees)」
- アルベルト・シュバイツァー「水と原生林のはざまで(Zwischen Wasser und Urwald)」
- H・G・ウェルズ「タイム・マシン(The Time Machine)」
- マルセル・プルースト「愉しみと日々(Les Plaisirs et les Jours)」
- 文体もそうですが、引用作品を見ても村上春樹登場以前を強く感じさせて逆に斬新。カーソン・マッカラーズ「心は孤独な狩人」に興味を抱いたのですが、入手困難な模様で無念。