桂米朝 「特選!!米朝落語全集(06)」

特選!! 米朝 落語全集 第五集

  • はてなの茶碗」が聴きたくて色々物色しており、一時は「茶金」で聴こうかとも思いましたが、京須偕充も勧めていることですし、桂米朝で是非とも聴きたくなりました。
  • 筋立てが良くできているのであらすじで読んでも非常に面白いのですが、その分実際に聴いてみた時のサプライズというか発見が少ない感じ。もちろんものすごく面白いのですが。
  • 「時の帝や関白さん、鴻池さんなどの言葉は、セリフとも地ともつかぬ言い方をするのです。これは何でもないことのようですが、話芸における一つの極意のようなもので、特にこんな話の場合、実は大変大事なことなのです」と解説してますが、「『一度、その茶碗が・・・・・』どんな声でおっしゃったかわかりまへんけど」のところで笑っているだけではいけないようで、奥深いものです。
  • 本人も「ある程度の年齢と風格が、演者に要求されるわけです」と解説していますが、京須偕充も「落語に帝や関白がかいま見えるのは稀な現象だが、それが自然に納まるのは演者の年功と貫禄だろう」と書いています。それは何となく感覚的に理解できます。
  • 「足上がり」はサゲも死語だし、芝居噺(東海道四谷怪談)で馴染みもないし、ちょっと厳しかったです。「この落語は短いものですが、まず芝居の桟敷、帰路、店先の場面、主人の居間、また店先、番頭の部屋・・・・・と場面が五回も変わるのですが、煩雑にならずによくまとまっていると思います」と言われても、そんなものかと思うしかありません。
  • 「お芝居の方は、あれですな、名優が三代続くの五代続くのてなことを言う。咄家にはそんなのは一つもないんで」とキッパリと断言してますが大丈夫なんでしょうか。
  • 「百年目」の番頭さんは「こんたは立派な人じゃな。帳面にはこっから先の無理もない。甲斐性で稼いで、甲斐性で使いなさる、立派なもんじゃ」という訳でセーフでしたが、こちらの番頭さんは「お前も今にわかる。これはみな筆の先から出るんやァ」という訳であっさりアウト。人生訓であります。
  • 私の履歴書」を読んで「地獄八景亡者戯」は聴いておくべきかなと思いはじめているところ。