「五線譜のラブレター−De-Lovely」

五線譜のラブレター (特別編) [DVD]

  • NHK−BSで放送されたミュージシャン映画3作品。いよいよ本命コール・ポーター
  • 大天使ガブリエルと最晩年のポーターが導入部以外にも頻繁に出てくる点を含め、映画として良くできているとは言い難いのですが、状況に合わせた曲の使い方や何の説明もなくジェラルド・マーフィー一家が出てくるところなど、ある程度コール・ポーターとその作品、周辺事情を知っているという前提のハイブロウな作り。
  • カルヴィン・トムキンズ「優雅な生活が最高の復讐である」をつらつらと再読してみると、「ジェラルドが卒業後も親しく付き合いつづけたイェール時代の友人はわずかふたりで、モンティ・ウーリーとコールポーターだけである」と、2人の出会いと大学時代のエピソードが詳しく紹介されている他、リンダについても「裕福で社会的野心が旺盛なかれの妻」という記述が出てきます。モンティ・ウーリーとコール・ポーターの2ショット写真もあり。
  • 村上春樹「村上ソングズ」も併せてつらつらと再読してみると、「同性愛者であったポーターとその奥さんとのデリケートな、しかし深い愛に満ちた数奇な生活が、話のひとつの中心になっているわけだが、『そうか、コール・ポーターというのはこういう人生を送った人だったんだ』とつい引きずり込まれるように見てしまった」とさすがに上手く要約していますが、「引きずり込まれるように」ところまでは行きませんでした。