- これも小西康陽「マーシャル・マクルーハン広告代理店。ディスクガイド200枚。小西康陽」からのチョイス。映画「男と女」はその昔一度見たはず(「部屋を頼む」しか覚えていませんが)。
- 「ピエール・バルーが偉大なサンビスタたちの名前を列挙する、という趣向だけで賞賛に値する『サンバ・サラヴァ』も素晴らしい」と書かれている2曲目「男と女のサンバ」のみ、バーデン・パウエルとヴィニシウス・ヂ・モラエスも作曲者としてクレジット(その他はフランシス・レイとピエール・バルーの2人)。これは撮影のためにパリに戻る前夜に、「バーデンの家にオスカー・カストロ・ネベス、ミルトン・バナナも来てRevoxに録音したもの」で「映画の中とサウンドトラックに入っているバージョンは、だから徹夜明けのバーデンの家で友人達と歌ったもの」だそうです。
- 「何よりも美しいのは『きょう、貴方は』という挿入歌。ニコール・クロワジールによって一語一区噛み締めるように歌われる言葉に対して、時速120キロで疾走してゆくリズム・セクション。この1曲のために映画が存在していたということが解らないのなら」という讃辞に惹かれて購入したのですが、その主目的の「今日、あなたが」がしっくり来なかったのは至極残念。美しいともスリリングとも感じ取れない自分の耳と感受性が口惜しいばかりですが、どう頑張ってもただのミスマッチとしか聞こえませんでした。
- フレンチ・ボサの嚆矢となったエポック・メイキングな1枚だそうですが、フレンチもボサもさほど好きではなくとも、両者が混じり合うと独特の魅惑的な雰囲気が立ち上がるのは何となく分かります。