- 未読だった映画本が消化できたので、いよいよ菊地成孔の映画と映画音楽の本。
- フロイト精神分析的を基調に、日本オタクのクエンティン・タランティーノ、キ○ガイのデヴィッド・リンチ等々、いつもながらの手つきで映画作家/作品を捌いていきます。
- 「ゴダール学部マイルス学科卒業」を自称するだけあって、ゴダールに関する第1章が白眉で、作品は殆ど観ていませんが関係なく楽しめます。ディープなファンの与太話的側面と職業音楽家による専門的分析とが渾然となった面白さで、ある意味「JLG(ミニ「M/D」ゴダール版)」といった趣。
- 「北東アジアのシネフィルの中で、現在最も情報的貧困の中にいるのは日本人と北朝鮮人である。レンタル利率や流通だといったオトナの事情により、日本にはTSUTAYAで大回転するようなものしか入って来ない」というのには深く頷きました。コンプライアンス意識皆無の発言は慎むべきでしょうが「その点、バッタもん天国の香港、中国、韓国は凄い。噂によれば、ファスビンダーの10枚組だの、シュレシンジャーの5枚組だのの違法コピーが、そこらでパクパク手に入る」というのは正直羨ましい(字幕だけの問題ではあるのでしょうが)。
- 「グラントリノ」とペドロ・アルモドバル、ゴダールの諸作は是非観てみたい。