豊田正義 「消された一家−北九州・連続監禁殺人事件」

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)

  • 昔から気になりつつ、ゴシッピーな好奇心で読むと後悔しそうな気がして控えていましたが、読んでみたいという気持ちが消えなかったので、他の書籍と併せて購入。
  • 通電や食糞の強要といった具体的な虐待や死体損壊(「つくだ煮を作る要領」)の様子にも激しい嫌悪感を感じますが、自発意志の脆さには限りなく暗い気持ちになります。
  • 濃度において天と地ほどの違いはありますが、洗脳と服従という観点ではサラリーマン社会にも似た部分があるなという不謹慎な感想は否めません。松本太が中小企業の社長であったことも無関係ではないでしょう。
  • 題材の衝撃で読ませますが、取材力、構成、文章と、どこをとってもノンフィクション作品としてのクオリティは低いと思います。