- NHK−BSで2月25日に放送。山中貞雄の現存する3作の中の一つ(昭和11年)。
- また、淀川長治/山田宏一/蓮實重彦「映画千夜一夜」においても、蓮實重彦が「映画史上最高の雪」として紹介していました。曰く、「原節子が自分で身を売ろうと決心したときに、スッと外に雪が降るんです。これが素晴らしい雪だったですね。鳥の羽根を小さく切ってやったらしいですけどね」。
- 「最初は粉雪なんです。弟がつまらないことで首が回らなくなって、その犠牲になって身を売ろうというのが原節子なんですよね。で、弟をいさめていると、紙風船屋か何かで、子供がポーンと『おばちゃん、ちょうだい』とか言って入ってくるんですが、どうも気配が険悪なんで、フッと黙って見るんです。そのうしろに雪が降り始めるんです」という説明のとおりのシーンでしたが、確かに印象的でした。
- あまり期待もせずに観始めましたが、テンポもよくて、ちょっと笑える小ネタだと思っていた小柄の紛失が堂々と話の本筋に絡んでくる展開に唸らされ、終盤はもう没入してしまいました。
- 映画評論家・滝沢一によるとラストで大立ち回りがあったとのことですが、現存のラストシーンがアメリカン・ニューシネマ的で素晴らしいと思います。
- 「人情紙風船」も録画しておけば良かったと後悔するも後の祭り。