「鳥」

鳥 [DVD]

  • NHKハイビジョン・シネマのヒッチコック特集。「海外特派員」に続いて「鳥」(1963年)。
  • 初見ではないことに観始めてから気が付きましたが、オープニング・タイトルのスタイリッシュさ、BGMの不在により醸し出される不気味さ、アンチクライマックスかつ緊張感溢れるラストのクールさなど、すっかり忘れていました。
  • 改めて「映画千夜一夜」の該当部分を読んでみたところ(巻末に題名索引があるのでこういうとき便利)、以下のとおり三者三様の発言で面白かった。
    • 蓮實重彦ヒッチコックの映画にはマザーコンプレックスがよくテーマになりますよね。『鳥』にもそのイメージが出てきますよね。息子を独占するちょっと恐い母親ですよね」
    • 淀川長治「ああ、そうだったか。わたしは、鳥ばっかり見とったからね(笑)。鳥が人を襲うでしょう。鳥を殺人者にしたからさ、ヒッチコックはすごいなあ思って、そればっかり夢中になってしもうてね」
    • 山田宏一「『鳥』では、スズメの大群が煙突から暖炉をとおって室内に襲ってきたあと、荒らされた部屋をかたづけ始める母親が変なんですね。割れたお皿の破片を集めたりして」
  • ボデガ・ベイの雰囲気も良かった。実在の町のようで、いかにも田舎町といった感じのウェブサイトが開設されていますが、ホエールウォッチングなどもできるようです