三谷幸喜 「三谷幸喜のありふれた生活」

三谷幸喜のありふれた生活

  • 書店で最新刊「三谷幸喜のありふれた生活9−さらば友よ」を見かけて興味を持ったのですが、調べてみたところ既刊分は文庫化されておらず悩みましたが、第1巻のみ試しに購入。
  • 詰まらないということは全くありませんが、タイトルどおりの日常的・常識的な内容が多く、質量共に濃度が低い感じで、読み進める気にはなりません。続刊以降本格的に面白くなってくるという可能性は否定できませんが。
  • そんな中でも、「杉浦直樹さんといえば、なんといっても向田邦子さんの『あ・うん』。僕にとってドラマの教科書だ」と思い入れを述べる「感激!杉浦直樹さんとの対面」、「ビリー・ワイルダーの書斎には、彼の師匠の名前を引用して、『ルビッチならどうする』と書いたメモが貼ってあった」という蘊蓄を紹介する「サイモンならどうする」といった専門領域の話は興味深かった。飼い犬が路上でしたうんちへの対処に夫婦で右往左往する「迷惑かけて、ゴメンナサイ」といった印象的な日常雑記がもう少し多ければ読み応えもグッと増したのではないかと思います。