北杜夫 「どくとるマンボウ青春記」

どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)

  • 「どくとるマンボウ」シリーズは10代の頃から気になっていたのですが、先般、毎日新聞「今週の本棚・この人この3冊」で鎌田浩毅が、「青春を何歳になっても失わない生き方が私の目標となった」、「シリーズの中でも白眉」と熱く紹介していた本書を購入。
  • 椎名誠「哀愁の町に霧が降るのだ」や村上龍「69」といった辺りのエヴァーグリーンな雰囲気を予想して読み始めたのですが、意外に瑞々しさが足りない印象。過渡期の旧制高校や父親としての斎藤茂吉の様子など、記録として貴重かもしれませんが、読み物としてあまり面白くない。
  • ふざけた体を装ってはいるもののぶっちゃけ方が物足りないと感じるのは、昭和ケーハク体に慣れ親しんだがためのジェネレーション・ギャップというものでしょうか。
  • こう相性が悪いようでは、「航海記」の方に手が出ません。