2012-03-20 滝田ゆう「寺島町奇譚」 本 「泥鰌庵閑話」、「滝田ゆう落語劇場」に続いて、本命「寺島町奇譚」。 さすが代表作。題材と画風が醸し出す情緒がただことではありません。 「泥鰌庵閑話」での業の深い飲みっぷりもこの原体験があってこそかと納得しましたが、他方で漫画家としての側面とあまり相容れないような気もして、腑に落ちないな感じは消えません。 滝田ゆうが1931年生まれ、永井荷風が玉の井通いをしていたのが1936年(「墨東奇譚」の発表が1937年)なので、本作とは少し時代がずれているかもしれませんが、実世界ではすれ違っているはず。感慨深いです。