三宅幸夫「カラー版作曲家の生涯−ブラームス」

ブラームス (新潮文庫―カラー版作曲家の生涯)

  • 弦楽六重奏曲第1番と間奏曲集ぐらいしか聴いたことがありませんが、内省的でメランコリックな雰囲気が好きで、いつか機会を見つけて読もうと手元においてあったブラームスの伝記。
  • 村上春樹小澤征爾方面から興味を持って手に入れた交響曲第1番を聴く機会に読むことに。コンパクトでありながら写真も豊富でなかなか良いシリーズのように思いました。
  • 照れ屋で気難しくて付き合い難い人だったという印象はありましたが、クララ・シューマンに「こんなに長く親しい関係にありながら、ヨハネスが自分の心を動かすものについて一度も語ってくれないなんて、あなたには信じられます?私にとっては未だに謎なのです。いえ、彼をまったく見知らぬ人間と言いたいくらいです。二十五年前に初めてお会いしたときと同じように」と言わしめるほどとは思いませんでした。何となくシンパシーを感じます。
  • 友人テオドール・ビルロートが「あまりにも繊細で、あまりにも真実で、あまりにも暖かく、一般の聴衆にとってはあまりにも心がこもり過ぎている」と評したヴァイオリン・ソナタ第1番が聴きたくなりました。ヨゼフ・スークとジュリアス・カッチェンのコンビが良いでしょうか。