The Langley Schools Music Project「Innocence & Despair」

イノセンス&ディスペアー

  • 元々は、「長髪に髭をたくわえ、カラフルなスカーフを首に巻き、サンダルに素足、いつもギター抱えていたというフェンガー先生」の主導により、1976年と1977年に録音された、「カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州ラングリー地区の小学生たちによる合唱、合奏」。「どれも音楽ファンには馴染み深い60−70年代のロック・クラシックスのカヴァー」で、「自主製作LP盤として300枚程度、プレスされ、参加した生徒や関係者に記念品とした配布されたという」代物。
  • 「9曲目までが1976年の1枚目。ロシェル・スクール、グレンウッド・スクール、サウス・カーヴォルス・エレメンタリーの3校の生徒たち、およそ50人と録音したもの」で、「10曲目からが翌77年の2枚目。ウィックス・ブラウン・エレメンタリー・スクールの延べ150人の生徒たちとの録音」。
  • 「当時ラングリーは大変な田舎だった。小学校は3室だけの校舎で、子どもたちは馬にのって学校にやってきた」というハンス・フェンガーの回想が牧歌的で泣けます。
  • 「調子はずれのメロディとふらつきっ放しのパーカッション−ワンテンポ遅れて打ち鳴らされるシンバルやちぐはぐな合唱」というアーウィン・チュシドの解説のとおりなのですが、それが「奇跡的にキマッたり」しているようにはどうしても感じられず。「体育館での録音ということもあり、そのエコー感はまさにウォール・オブ・サウンド」というのもやや言い過ぎで、単なる珍盤・奇盤という印象は拭えません。
  • プロジェクトそのものや再発見の経緯程には音源自体に魅力が感じられないというところ。