向田邦子 「あ・うん」

新装版 あ・うん (文春文庫)

  • BRUTUSの特集「ぼくのともだち」という意外なところで紹介されていて興味を持ちました。
  • 読んでいて頭に浮かぶ門倉の顔は高倉健。1989年の映画版をどこかで観たんだろうか。
  • 好く好かれるの関係を言動だけ淡々と描写していれば良いものを、明示的に説明してしまったら情緒も何も台無し、という気はしますが、ドラマの脚本がベースなので致し方ないのかもしれません。
  • 山口瞳も解説で同旨のこと(「どうしてお芝居にしてしまうのか」「向田さんの頭のなかには、TVドラマの場面のほうが先きに見えていたのではないかという気がしてくるのである」「TVドラマでは素晴らしいのである」)を書いていました。
  • あとがきで向田邦子が紹介していますが、中川一政の装丁がチャーミング。調べてみると単行本の方の装丁もまた別の素晴らしさ。