Billie Holiday 「The Ultimate Collection」

The Ultimate Collection

  • 家人が寝静まった後、ふと思い立ってリー・ワイリー「ナイト・イン・マンハッタン」を聴いていたら思いの外しみじみとしてしまったところ。
  • 同時期に、村上春樹の期間限定特設サイト「村上さんのところ」を見ていたら、「村上さんは、やるせない気持ちになったとき、どう対処してきましたか?」という質問に、「ビリー・ホリデイを聴きながら、ひとりで酒を飲むしかないじゃないですか」と端的に答えていたこともあり、神格化されすぎていて敬遠気味だったビリー・ホリデイを、改めて軽いノリで聴いてみようということで安価なボックスを色々と検討。
  • メンブランの10枚組は以前ディキシーランド・ジャズのボックスで、まさかの収録曲間違いがあったのでパス。コロンビア録音をコンプリート収録した10枚組「レディー・デイ〜ザ・コンプリート・ビリー・ホリデイ・オン・コロンビア(1933−1944)」が大変魅力的でしたが、いきなり10枚組は「軽いノリで聴いてみる」という基本姿勢に反するような気がしてこれもパス。
  • という訳であまり中身も確認しないまま893円の3枚組をチョイスしてみました。
  • 収録されているのは、「アン・イヴニング・ウィズ・ビリー・ホリデイ」(1952年)、「ビリー・ホリデイ」(1954年)、「ミュージック・フォー・トーチング」(1955年)、「ソリチュード」(1956年)、「ヴェルヴェット・ムード」(1956年)、「レディ・シングズ・ザ・ブルース」(1956年)、「ボディー・アンド・ソウル」(1957年)、「ソング・フォー・ディスティング・ラヴァーズ」(1957年)、と、1950年代のLPアルバム諸作。「ソリチュード」(1956年)は、1952年の復帰作「ビリー・ホリデイ・シングズ」に4曲プラスしてヴァーヴからリイシューしたもの。
  • 1950年代の録音は村上春樹が言うところの「声をつぶして、麻薬に体をむしばまれるようになってからの」「あまりに痛々しく、重苦しく、パセティックに聴こえた」「ある意味では崩れた歌唱」ということですが、今の気分にジャストフィットで、じっくり深くとまではいかないけれど、繰り返し繰り返し聴くことができています。
  • 愛聴盤「エラ&ルイ」「エラ&ルイ・アゲイン」で耳馴染んだ曲が多いのも聴き込めている理由としてあるかもしれません。
  • こうなるとやはり「レディー・デイ〜ザ・コンプリート・ビリー・ホリデイ・オン・コロンビア(1933−1944)」が欲しくなるというもの。