Various Artists「When I Reach That Heavenly Shore: Unearthly Black Gospel 1926-1936」

When I Reach That Heavenly Sho

  • かなり前のレコード・コレクターズのレヴューを読んで興味を持ったものですが、どういった内容のレヴューだったかはすっかり失念。
  • 今更ながら思い立って聴いてみたところ、これが実にツボで、これまで今ひとつ満たされなかったゴスペル欲の欠乏感に完璧にフィット。ブルースでいうところの戦前ブルースのコンピレーションのような多様さ、豊穣さ。
  • 後の米国黒人世俗音楽の粋がプロトタイプとしてショーケースされている感じで、かつ、戦前の差別的環境の苛烈さまで響いてくるようです。ジャケットも良い。
  • 旧約聖書の一節と新約聖書の一節をランダムにピックアップして、それらをベースに神々しく説法を展開するのが良い説教の徴」という父親の教えについてプロデューサーのクリストファー・キングがライナーに書いています。
  • 19世紀のアメリカ南部で盛んであった「シェイプ・ノート歌唱」という存在は初耳でした。簡易化のために考案された三角・四角・菱形・円の音符(=シェイプ・ノート)による歌集を用いたとのこと。
  • 同系統でフランスのFremaux & Associesから出ているコンピレーション「Slavery In America - Redemption Songs 1914-1972」も面白そうです。