- 3年前に山名昇「BLUE BEAT BOP! (REISSUED EDITION)」を読んでいたら、「バトル・オブ・ザ・DJズ」というコンピレーションが「DJのオムニバスは、特に若い人にお勧め。スタジオ・ライヴっぽいつくりだが、音もいいし元気もいい」と紹介されていて、スカ好きが勧めるDJものなら聴いてみたいと強く関心を持ったものの、入手困難だったため、同じくステュディオ・ワンのDJものコンピレーションとして本作を購入。
- ロイド・ブラッドリー「ベース・カルチャー−レゲエ〜ジャマイカン・ミュージック」を読みながらどっぷり聴こうと積んでおいたいくつかのCDのうちのひとつ。着手の見通しの立たない本の方とは切り離すことに。
- ボブ・マーリー後に突然変異的にU・ロイが出現して、間もなくイエローマンだのニンジャマンだのが続くといったような淡いイメージでしたが、ライナーと付き合わせつつ音源を聴き、なるほど、こういうことだったかと納得。雑駁に理解したところでは、
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- カウント・マチューキやキング・スティットが、レコードに併せて曲紹介や合いの手を被せていたのが1960年代中期までのスタイル。キング・スティット「ダンスホール’63」)で聴けるスタイル。
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- 1960年代後期からは同一トラック(=リディム)の使い回し、シングルのB面にA面のカラオケ(=ヴァージョン)を入れることが一般化。それに伴って、ヴァージョンに乗ってトースティングするスタイルが発生。
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- U・ロイが合いの手(トーク・オーヴァー)的なトースティングではなく、曲の全篇にわたってメッセージを押し出すスタイルを確立。
- 逆に、ルーツロック・レゲエは、1972年の映画「ハーダー・ゼイ・カム」辺りから隆盛になって、1980年代のダンスホール・レゲエの誕生によって下火になっていく訳で、ジャマイカ大衆音楽の保守本流の太い幹はどちらかというとDJ〜ダンスホールレゲエの流れなのかもしれません。
- 納得感はありますが、じゃぁ音楽として愛好して聴くかと言われると返答に窮する感じではあります。続編も出ているようですが、ツボがよく分からないので手が出ない。
- ディリンジャー「ナッティ・カンフー」の元ネタ(リディム)ロイ・リチャーズ「フリーダム・ブルース」の、更に元ネタであるリトル・リチャード「フリーダム・ブルース」がえらく格好良くてビックリしました。