開高健「地球はグラスのふちを回る」

地球はグラスのふちを回る (新潮文庫)

  • たくさん積んである食関係のエッセイのうちの一つ。南條竹則泥鰌地獄と龍虎鳳」をきっかけに少しずつ読みこなしていこうかという気分に。
  • 読んでいる途中で仕事が吹き上がって中断したため、印象が散漫になってしまいましたが、南條竹則泥鰌地獄と龍虎鳳」と比べるとやはり文章に芸があって楽しめます。解説で向井敏が挙げていた「越前ガニ」と「ニューヨーク、この大いなる自然」に加え、表題作「地球はグラスのふちを回る」が白眉。
  • シャルトリューズが「閨房の酒」で「寝るまえに匙に一口、二口すするとくちづけのときにいい香りがして、それはそれですばらしい」という発想はまったくありませんでした。修道院が作る秘伝のリキュールとしてはずいぶんエロティックな用法。