山本直樹「定本レッド1969-1972(1)~(4)」

定本レッド 1969-1972 ① 定本レッド 1969-1972 ② 定本レッド1969-1972③ 定本レッド1969-1972 ④ (定本 レッド 1969-1972)

  • 以前から気になっていた作品。定本としてまとまった形で出版された機会を捉えて購入。
  • 山岳ベース事件のくだりは不条理かつ陰惨で正視に耐えない。永田洋子=赤城(「不信感、猜疑心、嫉妬心、敵愾心」「女性特有の執拗さ、底意地の悪さ、冷酷な加虐趣味」)よりは森恒夫=北の異常性が際立つ。
  • 他方で、植垣康博=岩木は「集団狂気に陥ったり誰かにマインドコントロールされたわけではなく、集団を支える強固な論理構造があった。自分が森の立場だったら同じことをやってしまった可能性が高いと思う」と語っていて、総括できなかったところの敗北死とか、革命戦士の共産主義化とかがその「集団を支える強固な論理構造」だったのか、観念的すぎてどうにも理解し難い。
  • テキスト情報等ではいまいち総体がよく分からなかったあさま山荘事件に至る一連の流れが体感的に理解できてとても良かった。