山本周五郎「ちいさこべ」

ちいさこべ(新潮文庫)

  • 望月ミネタロウの「没有漫画没有人生」きっかけで「ちいさこべえ」を再読しているうちに原作が読みたくなって購入。
  • 中編の「花筵」と「ちくしょう谷」がやや自然な説得力に欠けるので全体の印象はいまひとつ。ラストの「へちまの木」も芯を外している感触。
  • 短編「ちいさこべ」は爽やかで良い。漫画は原作に忠実なような、かなり変えているような。現代に置き換えずにそのまま漫画化しても良かったのでは(読みたい)。
  • 「花筵」が昭和23年(1948年)、「ちいさこべ」が昭和32年(1957年)、「ちくしょう谷」が昭和34年(1959年)、「へちまの木」が昭和41年(1966年)と年代はバラバラ。どういうセレクションなんだろうか。
  • 酒癖が悪い、嘘つき、不人情、配慮に欠ける、狭量、でも「周五郎の作品の何ぺんかを読まずに通過するのは、明らかに生涯の損失と言いたい」という記事(「周五郎の二枚舌」(選択2013年9月号))を10年前に読んで、いくつか購入して積んであるんだった。続けてもう少し読もうかというところ。