丸山健二「水の家族」

水の家族

  • 三浦しをんの絶賛を目にして購入してあったもの。
  • 曰く「『水の家族』は文章の力のみで、人々の営み、ひとの心に湧き起こるありとあらゆる感情と物思い、この世のうつくしく醜い情景をすべて描ききり、終盤ではついに宇宙規模で魂の解放を実現してみせる。小説表現の極致を追求した大傑作で、何度読んでも胸打たれ、ひれ伏さずにはいられない。登場人物全員、どこか過剰というか、常識や規範からはずれた部分があって、ほのかなユーモアと痛切さを纏いながら生き生きと躍動しているのも、『この小説が大好きだ!』と叫びたくなる一因だ」、「中学生の頃に読んだ『水の家族』という作品ですね。その頃って思春期特有の、どうでもいいことでモヤモヤ悩んだりすることがありますよね。坂口安吾泉鏡花も面白かったけれど、そのモヤモヤに答えてくれるものじゃなかったんです。まあ、時代が違うってこともありますけれど。でも、この『水の家族』は答えてくれた。そうか小説ってこういうものなんだ、と感じましたね」、「それまでは物事には何であれ理由や意味があると思っていたけど、そうとは限らず、だけど意味のないことが悪いわけじゃないと理解を得たんですね」。
  • 題材もスタイルもあまり好みではなく苦戦しながらの読了。