2006-06-13 河口俊彦 「大山康晴の晩節」 本 ファンタジスタ升田に対するカテナチオ大山。まさに怪物。 升田幸三の自分史語りは「うはは」と楽しくなりますが、元プロ棋士が語る大山康晴は「ううむ」と唸りっぱなし。どちらも最高なんですが。 これだけ大きな存在だとプロレスも顔負けの傑作アングルが沢山成立しています。大山打倒に挑む山田道美、米長対大山最後の果たし合い、といった辺りは泣けます。 それ程有名ではない対局についても棋譜をきっちり読み解いて説明しています。将棋の内容はサッパリ分かりませんが、何となく言いたいことは分かるので問題なし。 熱意を持てる対象が見つけられた人は幸福、かどうか自信がなくなりそうです。殆ど狂気。 表紙の写真が実に良いです。読みながらしみじみ見つめてしまいます。 囲碁については将棋以上に何も知りませんが、藤沢秀行「野垂れ死に」、藤沢モト「勝負師の妻−囲碁棋士・藤沢秀行との五十年」は面白そうな匂いがします。