D・ガーディナー、K・S・ウォーカー編 「レイモンド・チャンドラー語る」

レイモンド・チャンドラー語る

  • アメリカ生まれイギリス育ちの揺らぐアイデンティティー、実業家としての経歴、遅咲き(45歳)の作家デビュー、17歳年上の妻、その妻が死んだ後の自殺未遂、ハリウッドへの怨恨、猫好き。中々に波瀾万丈で伝記の方が良かったかも。
  • とは言え手紙においても随所にチャンドラー一流のワイズクラックが横溢してますので、これはこれで楽しい。ちょっと翻訳がこなれてない気もしますが。
  • 未完成の遺稿「プードル・スプリングス物語」は凄いです。何せフィリップ・マーロウが新婚だという。そして早くもギスギスしているという。
  • ちょっと読んでみて読むに値すると思われる本は眠れぬ夜のために読まずにとっておくというのは分かるような分からないような奇癖。
  • そう言えば村上春樹訳の「長いお別れ」が出版されるらしい。あの名プロローグがどう訳されるのか。凄い楽しみ。