トマス・ハリス 「羊たちの沈黙」

羊たちの沈黙 (新潮文庫)

  • こういう話だったのか。バラバラだった各要素(蛾の蛹、レクター脱出、子羊の意味、等々)の記憶が何年か越しでやっとこさ繋がりました。今更感想も何もありませんがこれは面白い。
  • 本作からいきなりレクターの左手を多指症にしてしまったのはやり過ぎのような気もしましたが、バッグと靴の神経質なやり取りや、「あの独特のヤギのような汚臭は3−メチル−2−ヘキサノン酸だ。覚えておきたまえ、あれが分裂病のにおいなのだ」などと言われるとコレよコレ、という感じで盛り上がってしまいました。
  • 映画だけ観てもそれ程面白いものではなかったのではないかと(過去の自分を正当化しつつ)推測するのですが、もう一度観て確かめる気にはなりません。
  • あと、この翻訳者はかなり突飛な言語感覚(特にカタカナ表記)を有しているようで随所で感じる違和感によりスムースに読めなかったのはやや残念。マクドナルドがもし登場したらマッダーナゥとか訳したんだろうか。