- 野崎孝訳で昔読んだのですが、全くもって後書きのとおり「あれって村上さんが言うように、そんなにすごい作品なんですかね?」という程度の記憶しかありませんでした。
- 断片的なイメージは記憶の片隅に残っていましたが、全体としての作品のイメージが殆ど無かったのは、「判断を保留することは、無限に引き延ばされた希望を抱くことにほかならない。」の一文や「灰の谷」 の描写等で混乱したまま読んだからだと思います。
- 因みに「灰の谷」は当時の「コロナ埋立地」で、現在のフラッシング・メドウズ・コロナ公園(テニス全米オープンの会場「全米テニス・センター」やニューヨーク・メッツの本拠地「シェイ・スタジアム」も同公園の敷地内)のようです。当時はまだ埋立を行っている最中ということで良いのでしょうか。
- この辺りは愛蔵版特別書き下ろし「20年代ニューヨークガイド」で説明されているのかもしれない。愛蔵版にすれば良かった。
- 何となく作品のイメージは掴むことが出来ましたが、「そんなにすごい作品なんですかね?」という印象はそれ程変わらず。ある程度の時間が必要なのかも知れません。
- 次の新訳はレイモンド・チャンドラー「ロング・グッドバイ」ですか。これは作品と翻訳が凄くマッチしそうで文句なしに楽しみです。