- パリに行くに当たり、この機会に積年のフランス人作家放置本4天王の1つをやっつけようと決意。
- ラインナップは、ボリス・ヴィアン「日々の泡」、ジャン・ジュネ「泥棒日記」、ジョルジュ・バタイユ「マダム・エドワルダ」、A・ピエール・ド・マンディアルグ「オートバイ」。約15年来放置しているだけに中々屈強な面々で悩ましい選択。
- 読み方のコツを掴めば、というか、流れに身を任せてしまえば、割合スムースに読み進めます。むしろアナイス・ニンの序文の方が手強い感じ。
- 通底して渦巻く強靱なグルーヴ、随所に燦めくようなパッセージ、という感じで、1930年代のパリを夢想しつつそこそこ楽しく読みましたが、他人には勧めないし自分でも再読はしないと思います。
- 内容云々は別としても、15年来の放置本を読了したという解放感が凄いです。このためだけに「日々の泡」とか手を出しそう(そして途中でまた投げ出しそう)。
- 「ヘンリー&ジューン−私が愛した男と女」というヘンリー・ミラーを扱った映画があったなと思い調べてみると、ジューン・ミラー役がマリア・ディ・メディルシュ、アナイス・ニン役がユマ・サーマンというパルプ・フィクションのコンビ。興味はあるのですが、文芸の名を借りた軽エロ路線という感じで、面白いのかどうかよく分かりません。「ライト・スタッフ」のフィリップ・カウフマン監督、というのも微妙なところ。