ヘンリー・ミラー 「北回帰線」

北回帰線 (新潮文庫)

  • パリに行くに当たり、この機会に積年のフランス人作家放置本4天王の1つをやっつけようと決意。
  • なのでちょっと回避して、ヘンリー・ミラー「北回帰線」。アメリカ人作家ではありますが、放置歴といい、舞台がパリであることといい申し分ありません。しかし活字が小さい(平成四年五月十日三十四刷)。
  • 読み方のコツを掴めば、というか、流れに身を任せてしまえば、割合スムースに読み進めます。むしろアナイス・ニンの序文の方が手強い感じ。
  • 通底して渦巻く強靱なグルーヴ、随所に燦めくようなパッセージ、という感じで、1930年代のパリを夢想しつつそこそこ楽しく読みましたが、他人には勧めないし自分でも再読はしないと思います。
  • 内容云々は別としても、15年来の放置本を読了したという解放感が凄いです。このためだけに「日々の泡」とか手を出しそう(そして途中でまた投げ出しそう)。
  • 北回帰線を「Tropic of Cancer」、南回帰線を「Tropic of Capricorn」というのか。なるほど、夏至≒蟹座(冬至山羊座)だから、「蟹座の時期の太陽の通り道」ということか。