高橋昌一郎 「ゲーデルの哲学−不完全性定理と神の存在論」

ゲーデルの哲学 (講談社現代新書)

  • 新聞の日曜版か何かで、晩年のゲーデルは隠遁して哲学に没入していたということを知り、何とも面白そうなテーマなので、検討の結果本書を購入。
  • 断然面白いのは2章、4章といった評伝的パート。「はじめに」だけでもググッと引き込まれます。
  • 全体的としては安価かつコンパクトでバランスのとれた良書だと思いますが、もう一回り詳しくしたようなものがあればそれが読みたいという感じです(ウィリアム・パウンドストーン「囚人のジレンマフォン・ノイマンとゲームの理論」のクルト・ゲーデル版のようなイメージ)。
  • ゲーデルの神の存在論は1999年の時点でまだまだ開拓途上の領域だったようで、そんなフロンティアがあったのかと思うとゾクッとします。