- 戦後の落語界の話から一変して、続編は北村銀太郎の来し方語り。
- そのため、最初はちょっと拍子抜けしていたのですが、読み進むにつれて可愛らしい好々爺だとばかり思っていた北村銀太郎が牙を剥きます。
- とにかくもう道楽者振りが半端ではない。本妻の他に二号と三号抱えて更に遊郭に通い詰めとか、土地を売った金を全部ギャンブルに注ぎ込むとか、尋常ではない。こんな人生があり得るのかという驚きと羨望を禁じ得ません。
- 入れ上げただけあって遊郭の話は本当に魅力的。「手の爪先に紅を差してるの。爪と指腹のあいだに、そっと・・・・・。実際、色気があったよ」などと深川芸者を回顧されるとゾクッと来ます。